そば(麺類)
植物のソバを殻を取り除いた実をすりつぶして粉状にしたもの(蕎麦粉)を練り(この時つなぎとして小麦粉・山芋・卵などを入れる場合もある)、打ち粉を振った木の板に移し、延し棒で延ばした後、蕎麦切り包丁で細く切ったもののこと。また、その蕎麦を食べる麺つゆや汁を「蕎麦つゆ」「蕎麦汁」といい、蕎麦をゆでた湯を「蕎麦湯」と呼ぶ。蕎麦を食べ終わった後に、残った蕎麦つゆに蕎麦湯を入れて飲む人もいる。ちなみに蕎麦つゆは、地域によって濃さや色、味に違いがある。昼食として食べられることが多く、腹持ちが良いのでダイエットには最適であるが、食べ過ぎては意味がない。日本では、蕎麦を食べる時には、香りを楽しむために音を立てることが許されているばかりか、それが美徳ともされる。これは世界的に見ても珍しい「作法」である。ソバは世界中で食べられている穀物だが、麺状にして食べるのは日本以外ではネパール(日本とは異なり、専用の機械で押し出して作る)だけである。麺類としてのソバは16~17世紀頃に信濃国あるいは甲斐国で生まれたとされ、うどんよりも歴史は浅い。当初は寺院で広まり、その後江戸庶民の味となった。それ以前は主に「蕎麦掻き」として食べられており、麺状のソバは「蕎麦切り」として区別して呼んでいたが、後に麺類としての一般呼称となるにまで至った。大晦日の日に「長生き出来るように」ということで年越しそばとして食べる風習や、引っ越しの際に「引っ越しそば」として食べる風習が江戸時代から現在まで続いている。なお、イメージカラーは緑である。「中華そば」や「焼きそば」、「沖縄そば」など、ソバの実を一切使わない麺類全体の呼称としても定着している。
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