蕎麦用語3「う」
■うえした【上下】麺類店の職制のひとつ。そばを打ち、それが済むと釜前の役もこなす人。
■うすや【臼屋】石臼でそば粉を挽く専門の職人。
■うずらそば【鶉蕎麦】鶏卵はもり汁の味を薄めてしまうということで、ウズラの卵を使ったもの。大正14年に発案され、昭和32年に商標登録された。
■うちいりそば【討入蕎麦】忠臣蔵の赤穂浪士大石良雄らが討ち入りの前に縁起を祝って食べたといわれるそば。これにちなんで12月14日の「義士祭」では「そば供養」が行われる。
■うちこ【打ち粉】そば玉を麺棒で延ばす際に、麺棒や打ち台に生地が付かないように使う粉。そば打ちの場合、「端粉【はなこ】」と呼ばれる、玄ソバを挽いたときに最初に出る粗い粉を使うことが多いが、そば玉と同じ粉【共粉・友粉】を使うこともある。
■うちぞめ【打ち初め】正月二日、めん類を打って神仏に供えること。長野県・神奈川県・栃木県などの一部に残っている風習。このときは、そば粉9小麦粉1の割合で、ヤマイモと卵をつなぎにして打つ【水は使わない】。
■うちばん【打ち板】
■手打ちの際、のしの作業のときに使う大きな木製の台。桂・檜・桜などが使われる。めんだい。
■うちぼう【打ち棒】めん棒。
■うどんいっしゃく そばはっすん【饂飩一尺 蕎麦八寸】一番食べやすいとされる長さを示した諺。手打ちの原則。そばはっすん。
■うどんさんぼん そばろっぽん【饂飩三本 蕎麦六本】一度に口に運ぶのにちょうど良い量を示した諺。
■うばこ【上端粉】①製粉のときに最後に残った粗い粉。主に動物のエサにする
②ふるいの上に残った粉。
■うわおき【上置き】麺の上に載せる具のこと。種。
■うんきそば【運気蕎麦】年越し蕎麦のこと。「運そば」「福そば」とも。
■うすいろ醤油【うすいろしょうゆ】 濃口醤油の味そのままに、色だけ少し薄くした醤油。甘汁の色が濃いとしょっぱいと誤解されるので、最近ではうすいろ醤油を使うそば屋も多い。
■臼挽職【うすひきしょく】 「臼挽職」とは、手で使う直径一尺八寸【約五〇センチ強】ほどの「磨り臼」を車などに取り付けて、麺類店を定期的に回って、粉挽きを行う職業であり、「挽屋」とも呼ばれた。
■打ち粉【うちこ】 捏ねた蕎麦を延ばすとき、くっつかないように表面に振る粉のこと。
■内一【うちいち】 蕎麦粉と割粉の合計量に対する割合。そば粉9割に対して1割の小麦粉を加えるのを内一【うちいち】という。内二【うちに】。
■うん六【うんろく】 幕末から明治にかけて大阪の北の新地と堺にあった店。この「うん六」の看板商品がうどんのあつもり。あつもり【熱盛】は、ざる用の汁を徳利に入れて湯煎して熱くし、茹で上がったそばを洗い、もう一度沸騰した湯にくぐらせ、蓋付きの蒸篭に盛る。ざるそばのように汁につけて食べるが、汁の中に生卵やとろろを落とし込むことも多い。栄養のバランスもとれた食べ方である。蒸篭に盛らずに「釜揚げそば【うどん】」「地獄そば」として茹で湯と一緒に出すものもあるが、そばが冷めにくいが、汁が薄められてしまう難点がある。
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