蕎麦用語2「え」〜「お」
■縁結びそば【えんむすびそば】 細長く続くように、という縁起から「縁結びのしるし」として嫁方から仲人付添いで、婿方へそばを持参する習慣。婿方から嫁方へと、逆の場合もある。清めの象徴であるそばは、婚礼の際も用いられるが地域によってはそばきりの「きり」を忌み嫌い(いみきらい)うどんを用いることもあります。また、薬味に使うネギは「禰宜(ネギ)」にも通じることから清めの意味もあったそうです。
■駅そば【えきそば】 鉄道の開通は、明治五年の新橋~横浜間が最初であるが、鉄道開通により、駅を利用する乗降客や見送り、出迎えの利用客などがしだいに増加し、そうした客のさまざまなニーズを満たすために、いわゆる「構内営業」といわれる駅構内での食堂、喫茶店、売店などの開業が早い時期からスタートしている。駅そばが一般にポピュラーなものとなったのは、明治二七年の長野信越線の開通に伴い、明治三〇年ごろから軽井沢駅での営業を始めたことによるらしい。
■おかめそば 具の並べ方がおかめひょとこのおかめの顔に似ていることからその名がついた。蝶の形に結んだ湯葉を両目、三つ葉を鼻、蒲鉾を頬、椎茸を口に見立てて上置きにする。
■お声がかり お客さんの都合にあわせて蕎麦を出すという意味の業界用語。
■追っかけ(おっかけ) 朝に仕込んだものでは間に合わなくなり、急遽そばを打ったり、だしをとったりすること。午後に「追っかけ」をする日は、予想外に店が混んだ証拠でもある。
■お膳を作る=台を立てる 花番が汁をはかったり、箸をお膳に揃えたりすることを「お膳をつくる」とか「台を立てる」などといった。
■鬼がら 玄そばの種子の外皮(殻)は食用にならないので一般的に外皮をむいて製粉します。殻付きのまま製粉する場合もありますが、殻は石臼でも製粉できないほど硬いので鬼がらとも呼ばれています。
■鬼除け八日そば 奈良平安朝以来、邪悪なもの、もののけの類はすべて「鬼」とされ、この厄を除ける風習が各地に生まれた。これは栃木県あたりに残る風習で二月八日、師走八日に無病息災を願ってそばを食べるというもの。但し、この日取りは何をもとにして発したものか明らかでない。
■おばけ 揚げ玉と油揚げを両方のせたもの。すなわち、キツネとタヌキのばかし合いで「おばけ」。
■オヒネリ 一杯きりの注文。
■おろしそば 本来は大根卸しの汁をつゆのかわりに食べるそばのことだった。
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