蕎麦のタンパク質

お蕎麦は、人間の生命維持や成長に不可欠な体内では合成されない良質のタンパク質を豊富に含んでいる食品です。タンパク質の評価は「タンパク価」(プロテインスコア)という数字であらわされます。約20種類のアミノ酸が理想的な配分で入っている食品を基準にして「タンパク価」というものを決め、どれか一つでも不足している場合には、そのパーセンテージを求めて100から減らしていってその食品の価値をあらわします。タンパク価が「100」なのは鶏卵です。蕎麦粉のタンパク価は小麦粉の「47」、お米「72」に対して「92」で、鶏卵に匹敵する高さを示しています。また、タンパク質が含まれる分量からいっても、100gあたり、米6~7g、小麦8.5gに対して蕎麦粉には13gからのタンパク質があります。しかもその質が優れているので、その量と質を掛け合わせると、蕎麦タンパク質の栄養価は白米タンパク質の約5倍になるといいます。お蕎麦、ご飯、パンともそれだけ食べる分にはカロリーに大きな違いはありません。しかしご飯やパンは栄養成分の組成バランスがあまり良くないため、それだけ食べるのでは栄養的にかなり偏りのある食事になってしまいます。たとえば体を維持するのに必要なタンパク質を摂るために米だけ食べているとしたらよほどの「大メシくらい」(1日に7合)にならなければなりません。小麦の方はそれだけ食べていたのでは体を維持できません。ですので西洋人は小麦を主食とはせず、肉食をしてタンパク質の不足を補っているわけです。主食とオカズの組み合わせを基本とする他の食事パターンと比較した場合、お蕎麦は、白米や小麦粉に比べてタンパク質含有量が多いだけでなくタンパク価が非常に高く、ミネラル、ビタミンもほど良く含んだ低カロリーでヘルシーな栄養バランスの良い食品であるといえます。

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